Boswellia socotrana
ボスウェリア・ソコトラナ
とてもユニークな形の葉が特徴のボスウェリア・ソコトラナ
希少植物の宝庫、イエメン - ソコトラ島が原産。
ソコトラ島最高降であるハジエ山脈(Hajhir Mountains = Haggeher Mountains)が主な自生地です。
標高50-600mの範囲に点在する石灰岩で形成された岩場の斜面や、半落葉性灌木地帯に自生しています。
種小名の \'socotrana\' は説明するまでもなく、“ソコトラ島の”という意味になります。
美しい葉を持ったカンラン科の希少灌木植物で、ソコトラ島にのみ自生するボスウェリア属7種のうちの一種です。
成熟した株は高さ4-5m、最大で7mほどの大きさに成長します。
大型のボスウェリア属は株が小さいうちは幹は上に向かってまっすぐ伸び、ある程度の大きさに育つまでなかなか分岐しない種が多いのですが、本種ボスウェリア・ソコトラナは比較的株が小さいうちから分岐しやすい印象があります。
自然環境下でも分岐した枝が長く伸び、広がりのある樹形と育つことが多いようです。
栽培環境下では枝が長く伸びすぎるきらいがあるため、適宜選定した方がまとまりのあるコンパクトな株へ育ちます。
なお自生地では生えている環境によって樹形が大きく異なり、強い風の吹きつける吹きっ晒しの斜面等ではぐねぐねと曲がったように育つこともあります。
幹を覆う樹皮は赤味がかった茶色をしていますが、株が小さいうちは白っぽい灰色をしています。
多くのカンラン科植物と同じく、本種も成長に伴い樹皮は紙のように剥がれていきます。
ボスウェリア・ソコトラナの大きな特徴は美しい羽状の葉にあります。
葉軸の両側から密に生えた葉は深みのある緑色で、表面は鈍い光沢を放ちます。
また、新芽や新しい葉は赤銅のような赤味を帯びた色で、なんとも美しいシックな色あいです。
株が小さいうちはまず開花することはありませんが、数十年単位の年月を経た株は淡い黄緑色からやや赤みを帯びた円錐花序の花を咲かせます。
アラビア一帯に自生するカンラン科灌木(ボスウェリア属、コンミフォラ属)の樹液からは乳香が取れることで有名ですが、本種の樹液もかつてはソコトラ島の重要な貿易品として用いられてきました。
その他のソコトラ島固有のボスウェリア属と同様、本種も成長が非常に遅く、乳香が取れるようになるまでには数十年から数百年の年月が必要です。
なお、近年の気候変動や環境破壊の影響で本種はソコトラ島固有のボスウェリア属の中でも最も数を減らしており、現地では厳重に保護されています。
【サイズ】
株高:約12cm(葉含む)
【科・属】
Burseraceae Boswellia
カンラン科ボスウェリア属
【原産地】
イエメン - ソコトラ島ハジエ山脈
【置き場所】
年間を通して日光の当たる明るい場所で管理します。
ボスウェリア・ソコトラナは日光が不足すると枝や茎が徒長してしまい、細長い貧弱な株になってしまいます。
丈の詰まった株に育てるためにも風通しの良い場所で管理しましょう。
よく活着した株であれば、成長期は屋外の日光がよく当たる場所で雨晒しで管理した方が元気良く育ちます。
【水やり】
成長期の夏は用土が完全に乾燥する前にたっぷりと水やりします。
ただし、ボスウェリア・ソコトラナはあまり水やりの頻度が多すぎると細い枝が徒長しやすくなる傾向があります。
また成長は遅くなりますが、水やりは辛めのほうが主幹の軸部が太りやすい傾向があります。
秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春までは基本的に断水管理します。
ただし休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することが防げ、翌春以降の立ち上がりが良い場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
寒い季節の水やりは根腐れのリスクが高いため、慎重に行ってください。
春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきましょう。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
ボスウェリア・ソコトラナは寒さに非常に弱いため、冬は暖かい場所で管理します。
また、休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。