Cyphostemma betiforme
キフォステンマ・ベティフォルメ

希少なキフォステンマ・ベティフォルメ





ソマリア - バリ州、ヌガール州と、エチオピア南東部、ケニア北東部のソマリア国境一帯が原産です。
標高800mまでの範囲のコンミフォラ属の多く繁る低木林や、石灰岩の岩場などに自生しています。
種小名の 'betiforme' は“ビーツのような形の”という意味があり、蕪に似た見た目をした甜菜(てんさい)を表す 'beta'(ビート:beet) + 'formis'(形、形状の)の合成語です。
成熟した株でも幹径30cmほどの大きさにしか成長しない地表性キフォステンマ属の小型種です。
コーデックスプランツの醍醐味を凝縮したような、でっぷりと肥大した幹部分が本種の大きな特徴です。
個体によって形状は異なりますが、種小名にも表されているような蕪形、またはフラスコ形や太い瓶のような形状に成長します。
幹を覆う薄いベージュの表皮は滑らかな質感で、年月を経ると紙のように剥がれ落ちます。
幹の先端からは太く短い枝を伸ばし、そこから青磁色をした深い切れ込みのある葉を展開します。
ブドウ科の植物らしく葉のフチはギザギザと鋸歯状になっており、葉の表面は粉吹いたような質感をしています。
なおキフォステンマ・ベティフォルメは葉の寿命が短く、日本で育成した場合ワンシーズンの成長期に何度か葉が生え換わることが多いようです。
成長期のピークに差し掛かると、5-15cmほどの長さの花茎を伸ばし円錐花序の花を咲かせます。
エンジ色をした小さい花は地味ながらもなかなか見ごたえのある花です。
キフォステンマ・ベティフォルメは表皮にボコボコとした凹凸が現れる個体や、葉が大きくフチの切れ込みの浅い個体など、自生する地域によって変異が確認されています。
成長は極めて遅く、普通に育てている分には目立った成長はなかなか感じることができません。
逆に大きく成長しない分、コンパクトにコーデックスプランツを楽しみたい人には最適の種です。
【サイズ】
株高:約17cm(葉含む)
幹径:約φ5cm
※キフォステンマ・ベティフォルメは成長期に葉が何度か生え換わるため、タイミングによっては落葉している場合があります
【科・属】
Vitaceae Cyphostemma
ブドウ科キフォステンマ属
【原産地】
ケニア、エチオピア、ソマリア
【置き場所】
一年を通じてできるだけ直射日光の長時間あたる場所で管理します。
キフォステンマ・ベティフォルメは特に日当たりと風通しに注意して栽培しましょう。
日光が不足すると塊根や枝が徒長し、キフォステンマ・マクロプスの特徴であるでっぷりとした樹形が維持できなくなることがあります。
また、風通しの悪い場所も同様に徒長しやすくなりますので、日当たりと風通しには十分注意して育てましょう。
【水やり】
成長期の夏は土が完全に乾いてから水やりします。
キフォステンマ・ベティフォルメは水が多すぎると徒長しやすくなりますので、水やりの量や回数は一般的な塊根植物よりも少なめにします。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めた頃から春まで完全に断水します。
春になり芽吹きだした際は、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
キフォステンマ・ベティフォルメは水やり同様、肥料が多すぎると徒長してしまいますで、肥料は控えめに与えます。
【適温】
キフォステンマ・ベティフォルメは寒さに弱いので冬は暖かいところで管理します。
休眠中もなるべく日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。