Cyphostemma elephantopus
キフォステンマ・エレファントプス
ブドウ科の塊根植物、キフォステンマ・エレファントプス
マダガスカル - トゥリアラ州アンキリベ(Ankilibe)からベティウキ(Betioky)にかけてが原産です。
標高の低い乾性の低木林や、海岸近くの砂丘の藪などに自生しています。
種小名の 'elephantopus' は、ラテン語で“象の足”という意味があり、'elephant'(象)+ 'pes'(脚)の合成語です。
大きな塊茎を持った大型のブドウ科塊根植物で、塊茎は一般的には60-1m、数百年単位で生き抜いてきた古木になると直径2mに達することもあるようです。
塊茎は地中に埋まっていますが、成長に伴い、少しづつ地表にせり上がってきます。
塊茎は円錐形で、大株になると上辺が先細りとなったフラスコのような形になります。
塊根は灰色から薄茶色の厚く硬い表皮で覆われていて、年月を経るごとに皺が入り、その色形ははまさに“象の足”のようです。
塊根上部の先端付近からはツルを出し、周囲のものに絡みつきながら伸びていきます。
ツルのところどころからは、掌状の葉を展開します。
葉のフチは鋸歯状で、うっすらと微毛が生えています。
大きく成長した株になると、軟毛の生えた黄色みがかった緑色の集散花序の花を咲かせます。
結実すると球形の丸い果実をつけます。
なお本種は基本的に実生で増やすのが一般的ですが、ツルを挿し木することで増やすことも可能です。
ただしその場合は塊茎は形成されず、特に面白みがない植物となるため実生がおススメです。
なお近似種として、'Cyphostemma montagnacii'(キフォステンマ・モンタグナッキー)が知られていますが、花の特徴や果実の形状で別種とされています。
【サイズ】
株高:約16cm(葉含む)
株径:約8.5cm
【科・属】
Vitaceae Cyphostemma
ブドウ科キフォステンマ属
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州アンキリベ(Ankilibe)からベティウキ(Betioky)にかけて
【置き場所】
年間を通して日光のよくあたる場所で管理します。
キフォステンマ・エレファントプスは日光を好み、日光が不足するとツルが徒長したり、害虫の発生、塊根の腐敗を誘発します。
ツルから生える葉の間隔の詰まった元気の良い株に育てるには十分な日光を確保しましょう。
キフォステンマ・エレファントプスの塊茎は塊茎は本来は地中に埋まっています。
十分に活着した調子の良い株は塊茎を日光に晒しても問題ありませんが、活着前の株や調子の悪い株、小さな株の塊茎を長時間日光に当てると調子を崩す場合があります。
そのような株はなるべくツルや葉だけが日光によく当たるように工夫してください。
【水やり】
成長期である春から初秋にかけては用土が乾燥しきる前にたっぷり水やりします。
ツルを旺盛に伸ばしている場合は比較的水を好みますが、十分な日当たりと通風は確保しましょう。
通気性の悪い鉢や水はけの悪い用土、用土の量が多い場合に過度に水やりすると塊茎の腐敗を招きます。
栽培環境に応じて、株の状態や用土の乾燥具合を確認しながら水やりしてください。
秋に入り、涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、ツルや葉が枯れ始めた頃から春までは断水気味に管理します。
ただし害虫防止や細根の枯死防止といった観点からも、休眠期も月に数回は天気の良い暖かい日に軽く土を湿らす程度に水やりすると、調子良く越冬できる場合があります。
ただし少しでも低温の日、悪天が続く日、休眠時の極端な気温変化がある場合に水やりすると、塊茎の腐敗を誘発します。
休眠期に水やりする際は、温度・湿度・気温変化に最大限に気を使った上で行ってください。
【肥料】
成長期の夏に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
キフォステンマ・エレファントプスは非常に寒さに弱いため、冬は暖かい場所で管理します。
よく活着した、ある程度の大きさに育った株は一時的な寒さに耐えることができますが、可能な限り寒さには当てないようにしましょう。
休眠中も塊茎や表土・鉢を日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。