Fouquieria fasciculata
フォークイエリア・ファシクラータ
北米の希少コーデックスプランツ、フォークイエリア・ファシクラータ
メキシコ - イダルゴ州南部、メツティトラン(Metztitlán)近郊のみが原産です。
標高1,200-1,400mの範囲の日辺りの良い峡谷の斜面や岩場などに自生しています。
種小名の 'fasciculata' は、ラテン語で“群生した”という意味があり、花を密集させて咲かせる性質に由来しています。
なお現地ではその姿形から、 'Arbol de Barril'(スペイン語で“樽の木”の意)とも呼ばれています。
'Ocotillo'(オコーティヨー)と呼ばれるフォークイエリア属の一種で、気の遠くなるような年月を経た古株になると高さ4-6m、幹の直径60cmにも達することがあります。
11種確認されているフォークイエリア属のなかでも、その希少性・株姿の美しさから、 'Fouquieria purpusii'(フォークイエリア・プルプシー)と双璧をなす魅惑の北米コーデックスプランツです。
でっぷりと太った特徴的な軸部はワインボトルやフラスコのような形状で、新しい表皮は濃い緑色をしています。
時間を経るにつれ、軸部の表皮はひび割れた硬いコルクのような褐色へと変化し、味わいのある古木感が出てきます。
軸部のあらゆる場所からは、上に向かって何本も長い枝を伸ばします。
緑色をした枝は非常に鋭く細いトゲで覆われていて、うかつに触ることができません。
このトゲの密集具合もフォークイエリア・ファシクラータの大きな魅力ですね。
なお意外に枝やトゲは脆く、あまり粗雑に扱うと簡単に折れてしまいます。
成長期になると、トゲに覆われた枝のところどころから緑色をした逆卵形の小さな葉を展開します。
フォークイエリア・ファシクラータはフォークイエリア・プルプシーと似た見た目をしていますが、この葉の形状で簡単に見分けることができます。
大きな株にならないと開花しませんが、白い筒状の花を種小名どおり、密集するように開花します。
成長は極めて遅く、塊茎の軸部は一年で調子よく育って1-2mmしか成長しません。
枝はよく伸びるのですが、とにかく軸部の成長が遅いのが難点です。
植え替えなどで一時的に成長が止まると、その年は軸部がまったく成長しないこともあります。
なお、自生地に存在するような高さ3mを超える古木は、樹齢数百年から1,000年以上は経過していると考えられているようです。
元々草木の少ない過酷な環境で細々と生き延びてきたうえ、乱獲や環境破壊、成長の遅さも相まって、絶滅寸前となってしまいました。
そのため、現在では学術目的以外の輸出入が禁止されるワシントン条約の【附属書?】に分類され、厳重に保護されています。
非常に入手の難しい植物ですが、寒さにも強く、とても丈夫で美しいため機会があれば育ててみてください。
【サイズ】
株高:約17cm
※挿し木
【科・属】
Fouquieriaceae Fouquieria
フォークエリア科フォークエリア属
【原産地】
メキシコ - イダルゴ州メツティトラン(Metztitlán)
【置き場所】
一年を通して直射日光のあたる場所で管理します。
フォークイエリア・ファシクラータは太陽を遮るものがない乾燥地帯に自生しています。
日光が不足すると枝が徒長し軟弱な株になってしまいます。なるべく長時間太陽があたる場所を確保しましょう。
また、風通しが悪い場所で管理すると害虫や病気が発生しやすくなります。
春以降は日当たり、風通しの良い屋外で管理すると調子よく育ちます。
ただし、その際は雨に直接当たらない場所で管理しましょう。
【水やり】
成長期の春以降は土が完全に乾いてから水やりします。
乾燥地帯に自生しているフォークイエリア・ファシクラータはあまり水が多すぎると枝や軸部が徒長しやすくなります。
水やりは一般的な多肉植物よりもやや少なめにして管理しましょう。
秋になり、涼しくなり始めたころから葉が紅葉し落ち始めます。
その頃から徐々に水やりを減らし、葉が落ちてから春までは完全に断水します。
春になり暖かくなってくると葉が出始めるので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
冬型とはいえ、真冬は成長が止まるので水やりは控えめにしましょう。
観峰玉は極力水を控えると、体内に水を溜め込もうとして壷型になりやすくなるそうです。
大きくなるまで時間はかかりますが、きれいな壷型を作り込みたい方は参考にしてください。
【肥料】
成長期に数回、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
フォークエリア・ファシクラータはある程度の寒さに耐えることができる丈夫な種です。
ただし日光が不足すると耐寒性も弱くなるので、寒い場所で冬越しする場合もなるべく日光に当てるようにしましょう。
小さな株や、活着していない株は暖かい場所で管理した方が安全に冬越しできます。