Fouquieria formosa
フォークイエリア・フォルモサ
枯れた味わいが魅力のマイナーオコティーヨ、フォークイエリア・フォルモサ
メキシコ中部 - ハリスコ州から最南部のチアパス州にかけての広い範囲と、グアテマラのペテン県北部の一部に自生しています。
日中の気温が40度を超すような暑い乾燥した地域の乾性林や平原に自生しています。
種小名の 'formosa' は、ラテン語で“美しい”という意味があります。
現地では“オコティーヨ”(ocotillo)と呼ばれる低木型のコーデックスプランツ、フォークイエリア属の一種で、長い年月を経た古株になると6-8mほどの高さにまで成長します。
ボトル状になる幹を持ち、全体的に硬く締まった質感をしています。
幹や枝の表面は薄皮に包まれており、古い表皮はどんどんと剥がれ落ちていきます。
表皮の下は緑色で、葉のない時期も薄皮と通して光合成をしています。
幹からはいくつにも分岐した枝を伸ばし、枝のところどころからは長いトゲが生えています。
なおフォークイエリア・フォルモサのトゲは下に向かって、やや反りかえるように生えてきます。
気温の高い時期にある程度の水分を与えると、細長い倒卵形の葉を繁らせます。
なお、フォークイエリアの仲間は成長期でも水を長く切ると、葉からの水分の蒸散を抑えるために葉を落としてしまいます。
休眠から目覚め、葉を繁らせる直前になると枝の先端付近から赤から明るい橙色の花を咲かせます。
花は細長いラッパのような形状で、長い雄しべが筒から飛び出したような面白い形です。
成長は非常に遅く、高さ3-4mに達する成木になるには数十年から100年以上の年月がかかると言われています。
なお多肉植物として出回る際は、その枯れた味わいを活かして盆栽風に栽培されることが多くあります。
盆栽作りされた比較的小さな株でも長く作り込んだ株は開花してくれますので、種小名の“美しい”の語源になった花を咲かせてみてください。
【サイズ】
株高:約18cm
【科・属】
Fouquieriaceae Fouquieria
フォークエリア科フォークエリア属
【原産地】
メキシコ - ハリスコ州からチアパス州にかけて
グアテマラ - ペテン県
【置き場所】
一年を通して直射日光のあたる場所で管理します。
フォークイエリア・フォルモサは太陽を遮るものがない乾燥地帯に自生しています。
日光が不足すると枝が徒長し軟弱な株になってしまいます。なるべく長時間太陽があたる場所を確保しましょう。
また、風通しが悪い場所でかんりすると害虫や病気が発生しやすくなります。
春以降は日当たり、風通しの良い屋外で管理すると調子よく育ちます。
ただし、その際は雨に直接当たらない場所で管理しましょう。
【水やり】
成長期の春以降は土が完全に乾いてから水やりします。
乾燥地帯に自生しているフォークイエリア・フォルモサはあまり水が多すぎると徒長しやすくなります。
水やりは一般的な塊根植物よりもやや少なめにしましょう。
秋になり、涼しくなり始めたころから葉が紅葉し落ち始めます。
その頃から徐々に水やりを減らし、葉が落ちてから春までは完全に断水します。
春になり暖かくなってくると葉が出始めるので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
冬型とはいえ、真冬は成長が止まるので水やりは控えめにしましょう。
観峰玉は極力水を控えると、体内に水を溜め込もうとして壷型になりやすくなるそうです。
大きくなるまで時間はかかりますが、きれいな壷型を作り込みたい方は参考にしてください。
【肥料】
成長期に数回、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、マグァンプKなどの緩効性肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
フォークエリア・フォルモサはある程度の寒さに耐えることができる丈夫な種です。
ただし日光が不足すると耐寒性も弱くなるので、寒い場所で冬越しする場合もなるべく日光に当てるようにしましょう。
小さな株や、活着していない株は暖かい場所で管理した方が安全に冬越しできます。