Tylecodon buchholzianus
チレコドン・ブックホルジアヌス
繊細な印象の冬型種、チレコドン・ブックホルジアヌス
南アフリカとナミビアの国境近くの極度の砂漠地帯、リフタスフェルト(Richtersveld)が原産です。
国境をオレンジ川下流の海岸線に近いエリアの岸壁の岩の割れ目や、背の低い草木に混じって自生しています。
種小名の 'buchholzianus' は、アメリカの裸子植物(シダ)専門の植物学者、ジョン・セオドア・バックホルツ博士(Dr.John Theodore Buchholz)の名をとって命名されました。
場合によっては 'buchholziana'(ブックホルジアナ、ブッコルジアーナ) という名称で呼ばれることもあります。
大きく育っても高さ20-30cmほどにしかならない小型のチレコドンで、ツヤのある滑らかな木肌と、斑点のような模様のある枝が特徴です。
多肉質の細長い葉っぱと花が咲いた後の花柄が残った枯山水のような様が、他のゴツゴツしたチレコドンよりも繊細な印象を受けます。
日本では休眠に入る春ごろになると、ベルのような形状をしたピンク色の可愛らしい花を咲かせます。
その繊細な見た目同様に、幹も枝もとても柔らかくて脆いので、簡単に折れてしまうので注意が必要。
特に枝は軟らかい割に柔軟性がないので、下手したらちょっと触っただけでもポロッと折れてしまいます!
数ある多肉植物の中でも1、2位を争う折れやすさではないでしょうか?
ですが折れてしまっても、幸いにも枝挿しで増やすことができます。
性質は意外に気難しいところがあるので、休眠期の夏は涼しく過ごさせましょう。
成長もゆっくりとしています。
【サイズ】
株高:約8cm(葉含む)
【科・属】
Crassulaceae Tylecodon
ベンケイソウ科チレコドン属
【原産地】
南アフリカ、ナミビア南部 - リフタスフェルト(Richtersveld)
【置き場所】
成長期である秋から春にかけては、直射日光のよく当たる場所で管理します。
寒い季節は雪が常に降り積もっているような厳冬地を除いて、屋外でも管理可能ですが、その際は雨や雪が直接かからない場所で管理しましょう。
また冷たい風が常に当たる場所だと、いくら冬型とはいえ葉が枯れ込んだり落ちる場合がありますので注意しましょう。
暖かくなってくると葉が落ち始めるので、その頃から少し遮光をし、風通しの良い場所で管理します。
夏の蒸し暑さに弱いので休眠中もなるべく蒸らさず涼しく過ごさせます。
【水やり】
夏の終わり頃の涼しくなってきた頃に徐々に葉が芽吹きだしてきますので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
その際もいきなりたくさん水をあげると腐りやすいので、少しづつ水やりします。
また、チレコドン・ブックホルジアヌスは水が多すぎると枝が長く徒長しやすくなるので、丈の詰まった株にするには水やりは控えめにします。
春から初夏にかけて葉が落ち始めたころから徐々に水を控え、夏は完全に断水します。
チレコドン・ブックホルジアヌスは大きな株でも、暑い時期に水をあげると腐ってしまうことがありますので注意しましょう。
ただし、小さな株は保水力がないため、休眠中に干からびてしまうことがあります。
休眠中に水を与える際は、月に数回涼しい日の夕方に軽く水やりする程度にします。
【肥料】
成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、マグァンプKなどの緩効性肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
チレコドン・ブックホルジアヌスは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには強いほうですが、冬季でも最低気温は5度を目安にしましょう。
夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。