Tylecodon leucothrix
チレコドン・レウコスリクス
美しい葉を持った小型塊茎種、チレコドン・レウコスリクス
南アフリカ - 西ケープ州ラディスミス(Ladismith)からオウツフルン (Oudtshoorn)にかけて広がるグルート・スワートバーグ自然保護区(Groot Swartberg Nature Reserve)一帯が原産です。
岩や下草などでわずかに陰影のある、南向きの丘陵の斜面などに自生しています。
種小名の 'leucothrix' は“白い髭(髪)の”という意味があり、ギリシャ語の 'leuc-'(接頭辞の白い) + 'thrix'(髭、髪)の合成語です。
地中に小さな塊茎を有し、株立ちとなって成長する小型のチレコドンです。
一般的には成長しても高さ15-20cmほどの大きさですが、枝の伸びた古株になると25-30cmほどの高さにまで成長することもあるようです。
株が小さいうちは地中の塊茎が太るまでなかなか幹が伸びません。
塊茎が太りだすと徐々に幹が伸び、少しづつ分岐しながら成長します。
幹や枝を覆う表皮はベージュからオリーブグリーンで、表皮は徐々に古い紙のように剥がれ落ちていきます。
枝の先端からは丸みを帯びた披針形の肉厚な葉を展開します。
葉の表面は細かい微毛がびっしりと生えており、光が当たると白く輝くような美しさがあります。
種小名として与えられた“白い髭(髪)の”という意味も、この白い微毛に由来しているのでしょうか。
春が終わり気温の上昇とともに落葉し休眠しますが、休眠中に長さ10-20cmほどの長い花柄を伸ばし、筒状の小さな花を咲かせます。
花の色はややピンク色がかった白で、個体によっては花弁の外側に緑色の筋のような模様もうっすら入ります。
【サイズ】
株高:約2.5cm(葉含む)
【科・属】
Crassulaceae Tylecodon
ベンケイソウ科チレコドン属
【原産地】
南アフリカ - 西ケープ州ラディスミス(Ladismith)からオウツフルン (Oudtshoorn)にかけて
【置き場所】
成長期である秋から春にかけては、直射日光のよく当たる場所で管理します。
寒い季節は雪が常に降り積もっているような厳冬地を除いて、屋外でも管理可能ですが、その際は雨や雪が直接かからない場所で管理しましょう。
また冷たい風が常に当たる場所だと、いくら冬型とはいえ葉が枯れ込んだり落ちる場合がありますので注意しましょう。
暖かくなってくると葉が落ち始めるので、その頃から少し遮光をし、風通しの良い場所で管理します。
夏の蒸し暑さに弱いので休眠中もなるべく蒸らさず涼しく過ごさせます。
【水やり】
夏の終わり頃の涼しくなってきた頃に徐々に葉が芽吹きだしてきますので、その頃から少しづつ水やりを開始します。
その際もいきなりたくさん水をあげると腐りやすいので、少しづつ水やりします。
また、チレコドン・レウコスリクスは水が多すぎると枝が長く徒長しやすくなるので、丈の詰まった株にするには水やりは控えめにします。
春から初夏にかけて葉が落ち始めたころから徐々に水を控え、夏は完全に断水します。
チレコドン・レウコスリクスは大きな株でも、暑い時期に水をあげると腐ってしまうことがありますので注意しましょう。
ただし、小さな株は保水力がないため、休眠中に干からびてしまうことがあります。
休眠中に水を与える際は、月に数回涼しい日の夕方に軽く水やりする程度にします。
【肥料】
成長期の初秋や春に数度、微量元素が不足しない程度に薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
チレコドン・レウコスリクスは涼しい季節に成長する植物のため、寒さには強いほうですが、冬季でも最低気温は5度を目安にしましょう。
夏の蒸し暑さに気をつけ、暑い季節は涼しい場所で管理しましょう。