Euphorbia columnaris
ユーフォルビア・コルムナリス
くるりとカールしたトゲが特徴のユーフォルビア・コルムナリス
希少・珍奇ユーフォルビアの宝庫、ソマリアが原産です。
北東部に位置するソマリアスール州ラス・アノド(Las Anod)近郊のヌガール渓谷一帯が主な原産です。
標高700mほどの石膏岩の岩山の割れ目などに自生しています。
種小名の 'columnaris' はラテン語で“円柱状の”という意味があります。
その名のとおり円柱状に育ち、長い年月を経た株になると高さ1m近くまで成長することもある柱状種です。
株が小さいうちは丸みを帯びた形状をしていますが、成長に伴い緩やかに上に伸びていきます。
幹は基本的に単幹で伸び、分岐することはほとんどありません。
柱状の幹にはサボテンのようにいくつもの稜があり、そこから白から灰褐色のトゲを生やします。
全身を覆うこのトゲは、まるでヒゲのように下から上に向かってくるんとカールするのが大きな特徴です。
同じくソマリアに産する珍種ユーフォルビア、'Euphorbia phillipsioides'(ユーフォルビア・フィリプシオイデス)に似た見た目をしていますが、このトゲの形状で容易に判別することができます。
また、表皮の色もフィリプシオイデスに比べて明るい緑色をしています。
成長期になるとトゲの間から黄色く小さい花をたくさん咲かせ、ますます珍奇な見た目となります。
極地に自生するその他のユーフォルビア同様、栽培は難しく、一般的には接ぎ木で栽培されています。
自根で育てた場合、成長は非常に遅く、年間を通しても目に見えるような成長はほとんどありません。
なお残念なことに野生環境下のユーフォルビア・コルムナリスは、自生地でのヤギの放牧や灌漑農業による土壌の塩害、そして急激な気候変動の影響によってほぼ絶滅したと考えられています。
ごくまれに珍奇ユーフォルビア愛好家が増やした株が出回ることもあるので、手に入れた方は大切に育ててあげましょう。
【サイズ】
株高:約3.5cm
【科・属】
Euphorbiaceae Euphorbia
トウダイグサ科ユーフォルビア属
【原産地】
ソマリア北東部 - ソマリアスール州ラス・アノド(Las Anod) ヌガール渓谷
【置き場所】
年間を通して日光のあたる明るい場所で管理します。
日光が不足すると軟弱な株となり、株の腐敗や徒長を誘発します。
ただしよく根の張っていない株や、小さい株を長時間直射日光に当てると日焼けしたり株が弱ることもあるため、その場合は遮光しつつ徐々に強い日光に馴らしてください。
また、ソマリア産の難物ユーフォルビアは蒸し暑さに弱いところがあります。
なるべく風通しの良い場所で管理するようにし、風通しが確保できない場合は扇風機などで風を送ると効果的です。
【水やり】
成長期の初夏から晩夏にかけては用土が乾いてから水やりをします。
一般的なユーフォルビアよりも少ない回数、少ない量を意識し、水切れよりも与えすぎに注意しましょう。
また、水やりする際は風通しの良い環境で行ってください。
本種を含むソマリア産の難物ユーフォルビアは過湿に弱く、水やりのしすぎや長時間過湿状態が続くと簡単に株の腐敗・根腐れを起こします。
そのため用土は乾きやすい配合にしたり、素焼き鉢等の通気性の良い鉢を使用する等の工夫が必要です。
気温が下がり始めたころから徐々に量と回数を減らし、晩秋から春までは断水気味に管理します。
ただしユーフォルビア・コルムナリスは根張りが弱く、長期間にわたって完全に断水すると細根が枯れ、株が弱る場合があります。
休眠期の冬でも月に2-3回、土を軽く湿らす程度に水やりし、細根の枯死を予防すると良いかもしれません。
その際は好天の続く気温の高い日の午前中に行い、夜までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
【肥料】
成長期の夏に微量元素が不足しない程度に、ごく薄めた液肥を与えます。
元肥を与える場合は用土によく醗酵した有機質や、緩効性の化成肥料を少量混ぜ込んでください。
【適温】
ユーフォルビア・コルムナリスの自生しているソマリアスール州ラス・アノド(Las Anod)は、年間の最低気温が20度下回ることはありません。
そのため寒さに対しては非常に弱く、夜間の最低気温は15度を下回らないように管理した方が安全に越冬できます。
休眠中も適度に日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。