Aloe castilloniae
アロエ・カスティロニアエ
小型アロエの希少品種、アロエ・カスティロニアエ
マダガスカル - トゥリアラ州ジョフルヴィル(Joffreville)のみが原産です。
海岸線からマハファリ高原へと続く石灰質の砂岩の岩山が原産で、岸壁の割れ目や窪みに溜まった僅かな土壌に自生しています。
種小名の 'castilloniae' は、この植物の発見者であるレ・ユニオン島在住のフランス人植物学者、ジーン・バーナード・カスティヨン博士(Dr. Jean-Bernard Castillon)の妻であるベルナデット・カスティヨンに敬意を表し命名されました。
2006年に新種として記載された非常に珍しい小型のアロエです。
アロエ・カスティロニアエの葉は長細い三角形で、先端が内側に向かって巻きこむような形状をしています。
葉はロゼット状に展開し、株の中心から茎を伸ばしてロゼットを重ねるように伸びていきます。
岸壁に自生する本種は、自生地では垂れさがるように成長します。
長さ4-6cmの肉厚の葉は硬質で、ロゼットの直径は大きくても6-8cmほどしかありません。
長い年月を経た古株は最大で直径1mほどの群生を形成することもあるようです。
葉は青緑色から青白いパウダーブルーのような色をしていますが、日照時間や日光の強さ、水分の含有量によって変化します。
水を控えていたり、日照が強い場合はオレンジ色から紫色がかった葉色へ変化します。
本種の大きな魅力は葉のフチや表面からまばらに生えたトゲです。
赤味を帯びたトゲは株のサイズに比べて大きく、葉の色とのコントラストが非常に美しく目立ちます。
その美しさとコンパクトな株姿からか本種は新種ながらも非常に人気のあるアロエの一種で、アロエに興味のない方をも引きつける魅力があります。
充実した株は成長期になると長さ5-7cmほどの花茎を伸ばし、筒状の花を咲かせます。
花の色は明るいオレンジ色ですが、個体によっては花弁の付け根が黄色く染まることもあります。
成長はとてもゆっくりですが性質は強健で、じっくり硬作りするとこんもりとした株姿へと成長し、非常に見応えがあります。
凶暴な見た目ながらも小さく可愛らしい雰囲気を持った万人におススメの品種です。
【サイズ】
株高:約9.5cm
【科・属】
Liliaceae Aloe
ユリ科アロエ属
※アロエ科(Aloaceae)とする場合もある
【原産地】
マダガスカル - トゥリアラ州ジョフルヴィル(Joffreville)
【置き場所】
年間を通して日光の当たる明るい場所で管理します。
アロエ・カスティロニアエは暗い場所で管理すると葉が徒長し、だらしない株姿となります。
また日光が不足すると葉の緑色が強くなり、本種のうっすらと青みがかった美しい葉の色を楽しむことができません。
ただし真夏の直射日光や、水を控えている時期の西日などに長時間当てると葉が焼ける場合があります。
一時的に赤っぽいオレンジ色に変化するのはアロエ・カスティロニアエの生理的な特徴なので問題ありませんが、葉が枯れこんだり、表面に茶色いカサブタのようなものできる場合は寒冷紗等で適度に遮光してください。
また風通しの悪い場所で管理すると害虫が発生しやすくなります。
なるべく風通しの良い場所で管理し、室内で育てる際はシーリングファンや扇風機などで風を送るように工夫してください。
【水やり】
アロエ・カスティロニアエは気温の高い季節に成長します。
成長期は用土がしっかり乾燥してから水やりしてください。
本種は過湿を嫌います。
また、水やりが多いと株姿が乱れたり、茎が徒長しやすくなります。
成長はゆっくりとなりますが、本種は水やりは控えめの方が締まった株姿となります。
気温が下がり、新しい葉の展開が止まり始めるころから徐々に水やりを控え、翌春まで断水気味に管理します。
ただし休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせると細かい根が完全に枯死することが防げ、翌春以降の立ち上がりが良い場合があります。
寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にしましょう。
春になると葉が徐々に展開し始めますが、いきなり沢山水やりせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきましょう。
【肥料】
成長期に数回、ごく薄めた液肥を与えます。
用土によく醗酵した有機質肥料や、緩効性の化成肥料をごく少量混ぜ込んでおいても良いと思います。
【適温】
アロエ・カスティロニアエは暖かい気温を好みます。
可能なかぎり暖かい場所で管理しましょう。
断水に近い状態で、日中に温度が上がり植物や用土がしっかり温められる場合は、ある程度の低温に耐えることができます。
その場合でも5度以下には下がらないように注意してください。